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使い勝手の良い登山靴を求めて

ちょっと昔になってしまうけれど、いくつか中レベル程度の登山靴を買い揃えて自分にあってるものを探すという、
贅沢なことをしました。とは言え価格帯も1-2万円程度で選定したのでそんなでもなく。

比較したのは以下。
・La Sportiva TX5 GTX
・Adidas terrex フリーハイカー
・INNOV8 ROCLITE  345 GTX
・HOKA ONEONE Sky Kaha

それと、もともと持っていた
HOKA ONEONE TOR SUMMIT MID(トレランシューズでスタートしたHOKAが初めて作った登山靴)
選定のメインは靴底が硬すぎない+ 濡れた岩場で滑らない。
Mega GripはHokaのtor Summitが使用していて、すでに実力を体感済みだったのでMega Grip使ってるアプローチシューズのTX5は即採用。
そして、tor Summitの後継の一つSky Kahaも同じくMega Grip。
AdidasのフリーハイカーはContinental共同開発したというソールで期待値で購入。
Innov8のROCLITEはグラフェンという原子一層分の薄さのシートを使用したソールで、滑りにくくて耐久力があるという一見相反することを言っているので試してみたくて採用。

それぞれの感想はこんな感じ。

・La Sportiva TX5 GTX
Mega Gripなのと、ソールもちゃんとつま先にクライミングポイントがあり、そこそこのソールの硬さなども相まって今回試した中で一番バランスが良いと思う。
これならば夏場の一週間の縦走とかでも十分に使える(岩場に慣れている人という限定付きで)。ただし、登山靴に近いのもありアッパーが頑丈に作られている。
それは当然良いことなのだが、自分は足形があっていないと思われ、かかと付近に必ず擦り傷が一日でできる。最近は日帰りか、一泊ぐらいの登山ですりキズできるところに
テーピング張ってから使っている。足に合うのであれば完璧なバランスだと思う。難点は今回検討した中でも最重量級なことか。

・Adidas terrex フリーハイカー
ソールがとても柔らかい。が故に運動靴な気分で履ける。期待したContinentalのソールは思ったほど登山向きとは思えず、木道でも岩場でもずるずる滑り、濡れている
岩など乗ってはいけない。足首近くまで包み込んでくれる構造になっているので、ゲイターがほしい場所でも省くことができる。結構上の方まで口紐を通す金属の輪があり
それがくるぶしにあたって一時間もせずに足が痛くなってしまった。これも足によっては大丈夫なのかもしれない。普段履きにできて、たまにハイキングとかならいいが
あんまり積極的に買う理由は見当たらなかった。たまたま、足に合う友達がいたのであげてしまった。

・INNOV8 ROCLITE  345 GTX
GGRIP割りとちゃんと止まります。が、MegaGripと比べると2段ほど落ちる感じ。耐久性はいくつか山行したあともソールの削れが顕著にMegaGripより少ないと感じたが
MegaGrip採用の靴で3年つかって、ソール使い切った気はしなかったのであまりアドバンテージはない気がする。GTXと表記はされているが、本当にゴアテックスなのだろうか
疑うレベルで雨が降ってくると、靴の中はぐしょぐしょに。あまり良いところがない書き方になってしまったけれど、今では一番使っている靴で何よりソールが薄くて良いので
かさばらず、靴全体も軽量。なので、沢に向かうためのアプローチと下山用に活躍してくれています。あと、一点未だに気になっているのが紐締めても足入れる部分が余り閉まらないので
すぐ砂とか入ってしまうという。ゲイター履けばいいんだけど、もう少し改良してほしい。

・HOKA ONEONE Sky Kaha
本当は一番使うと思っていた靴です。HokaのクッションとMegaGrip、履き心地の良いアッパーは間違いなく一番バランスよく使える登山靴に仕上がってたはずでした。
が、一週間の縦走で5日目にソールが剥がれだし、登山靴として一番起こってはいけない状態となってしまいました。ソールの形状もどちらかというとトレランよりになってしまって
しっかり登山道を歩くというよりもスパイクが効いて、走れるようにな形状になっていて確かに耐久性に振ってないなとは思います。
お値段結構するのに一年も持たない設計はいただけないかなあ。今回にいたっては一週間も持たなかったので・・・

・HOKA ONEONE tor summit
なぜ、今回の靴探しをしたのかというと、これまで使っていたこの子がそろそろ寿命になってきてしまったためです。特に壊れているところもないのですが、3年以上使っていたので
なにか問題が起こる前に履き替え先を探していました。
ソールは柔らかめですが、MegaGripもあり雨でも、岩場でも沢でも変な滑り方をすることなく、ちょっとした小石を踏んづけても気が付かないぐらい吸収してくれるという点ではある意味良いソールです。
もちろん、岩場は本来硬いソールで一点しか引っ掛けられなくても縦走荷物を持ち上げられるに越したことはないのですが、それぐらいかたいと一日中歩いている縦走では足自体が痛くなってきてしまいます。
というのがあって、岩場ではそれなりに気をつけて使えばなんとかなる、絶妙なバランスのこのソールを気に入っていました。アッパーもレザーですが硬すぎず、かといって強度不足も感じず使えていました。
実際、南アルプスの一週間縦走も難なくこなし、ついでにSPA TrailもUTMFもじつはこれで完走してたりします。
2018-2020辺りでは山はほぼこれしか履いてませんでした。全部で1000km以上使っていたと思いますが壊れてません。
とはいえ寿命が近いのも間違いないので廃盤になったことが残念でなりません。&後継機が↑だったのも非常に残念・・・

何がいい、何が悪いという結論は出さず、実際感じたことはこんな感じでしたで結論にしたいと思います。
とはいえ、今でも使えてるかどうかがキーですかねえ。

左から、フリーハイカー、SkyKaha、TX5、ROCLITE

左から、Tor Summit、トレランシューズのSpeed Goat、Sky Kaha、TX5

Sky Kahaがトレランシューズっぽくなってしまっているというのはここから。
Tor Summitは良かったなあ。TX5はもう普通の登山靴にしか見えない。

残念剥がれしたソールがこちら。本当に、残念でならない・・・Mega Gripの体積ケチったのか接着面積も狭いし、接着剤も良くないのではないだろうか。ちなみに、海外でも同じレポートが上がっているので、自分だけのことではないらしい。登山靴として売る以上はしっかりした作りにしてほしい。
というか、Tor Summit復活してくれ!

Jet Boil SOL Tiが壊れてしまったのでPrimus Eta LITEを買ってみた

はい、Jetboilの故障モードといえば5割りはこれなんじゃないかという底部の熱をかき集めるフィンが破損してしまいました。最初は波上になっている一か所が外れただけでしたが、そうなると左右のフィンも使っているうちに高熱になってしまい、破壊されていきどんどんと外れて行ってしまいまいた。一か所壊れてから三回ぐらい使ってこの状態なのでさすがにもう使えい続けるのは難しいだろうということで買い替えの検討を。ちなみにバーナー部分は生きているので、カップの部分だけ購入すればいいのですがノーマルのSOLだと10000円ぐらい、Tiだと13000円ぐらいします。

それだけ出すんだったら、せっかくなので別の製品も試してみたい。そして手ごろなことにカップ単体よりも格安でバーナー付き、Primusの類似商品があったりします。


それが上のPrimus Lite Etaです。これは国内で販売されていないので、米国Amazonから直送輸入してもらいました。価格は59$+送料10$と送料足しても7000円ぐらいでした。最近のamazonは国外輸出がEbayばりに遅くなっていたので期待はしていませんでしたが、なんと今回は一週間で手元まで配送されてきました。

さて、せっかくなので開封レビューです。JetBoilとちがって箱はだいぶ立派です。空けづらいし処分しづらいプラスチックパッケージではなくしっかりした箱でした。ここは老舗なりのこだわりなのか。

箱を開けるとバーナーとカップが並んでいます。

カップの方は見た目はそんなにJetBoilと変わりませんが、バーナーは一目で違うのがわかります。

といっても、外側のの形状が違うだけでSOLのバーナーメインの部分 (穴がぶつぶつ) は全く同じ径で構造に見えるので、どこかのOEMなのかSOLの方が後発なので真似されたのかと思われます。下の銀のラベルはいわゆる禁止事項が書いてあって、剥がしたらだめですよー(コンプライアンス違反)となってますが輸入した時点で保証も何もないのと、邪魔なのでレビュー後に速攻ニッパーで切り落としました(笑)

 

三角形の針金みたいなところと本体の間にカップを挟む構造になっていて固定されます。JetBoilのロック構造と比べると少し砂が入ったくらいであれば、問題なく使えそうです。Jet Boilの時は使ってるうちにどんどん回しずらくなるので、回して固定するのは途中からやらなくなってました。

こちらがカップです。JetBoilと違うのはふたが固定されません、。横に置いただけで半分開いてしまいます。これはJetBoilのほうがうれしいですね。ただ、この蓋についてはオプションでコーヒー用のフィルタセットを買うとJetBoilと同じような蓋が手に入るようです。今回は買ってないので保証はしかねますが・・・

もうひとつちがうところは蓋がコップになっているところです。JetBoilのように底のカバーがコップにはなっておらず、買ってすぐにザックの中で割ってしまった身としてはコップでカバーされるよりも本来の形状でフィンが保護されている方に軍配をあげたいかな。

ほとんどフィンが表に出ていないのでそのまま収納しても破壊することはなさそうです。

カップのまわりの断熱生地は断トツでPrimusのほうがよさそうです。生地の厚さしかり、取っ手の硬さもJetBoilのように重さに負けて伸びてしまって使いづらいというようなことはなさそう。

取っ手を横に取り付けてつるすこともできます。バンジー紐も付属です。

 

そして、取っ手についているこの棒。何に使うかというと・・・

三角形の隅に取り付けて、簡易五徳になります。一回ガスをつけて試してみましたが(さっきの銀のラベルの室内で使わないを速攻でViolationしてますw)火力調整は普通の調理ができるという売りの最新のJetBoilに負けず劣らず可能なようなので、炊飯などにも活躍しそうです。怖いのはねじ式なので気が付いたら外れてたとかで無くしそうなこと・・・別に袋用意して管理した方がいいかも。

 

さて、ここまで見てくるとスペック上はJetBoil SOLよりもいろいろ考えてあり、とっても良さげなETAですが・・・一つ大問題が。それは重さです。

ガスを除いた各フルセットの重さはJetBoil Sol Tiは280g、たいしてETAは400gと実に4/3倍ほどの重さとなっています。ちなみにAlminiumの場合でもSOLは312gと優秀で容量はSOLが0.8LでEtaが0.5LなのでこれまたJetBoilの方が優秀ですね。とはいえ、JetBoilのほうも五徳機能を追加すれば数十グラムは差が縮まるのと、すべて一つに収納できるという利点がある。また、ここまでで触れていなかったけど、ガスの固定足はJetBoilは内蔵式、Etaは中に収納できない大きさだったので使用しない前提とにしてます。

そんなわけで、両者共に利点が見事に分かれます。SOLが軽量重視という設計であることを鑑みても、わかりやすい差になったわけだけど

・PRIMUS ETA LITEは一つで機能がたくさんあってまとまっているので、テント泊でゆっくり縦走するような人に向いている気がする。
・SOLのほうははやりのファストハイクとか、小屋迫でなるべく軽量を目指す人が持つものかな。

ETAとSOLで比べてしまうと価格的には二倍以上の差が出るので、お財布との相談もあるかもしれないですね。とりあえず一台を買ってみるということであればETAの方がいいかなと思います。

また、SOLはたまたま今まで使っていたので比較に使っていましたが、JetBoilは種類が多様なので今回のEtaと同じ傾向を持った製品もあります。ただ、重量は同じくらいになってくるので値段を考えると自分ならEtaのほうに軍配が上がりそうです。まだ現場でのテストはしていないので、今後どこかの縦走で使って報告したいと思います。

 

SOLは収束製品なのかバーナーと一緒に販売してないみたいです。なので、バーナーはこちら。上はカップのみですね。

 

 

 

 

 

Scarpa スカルパ シャルモのソールを張り替えしてみた んだけど・・・もしかして偽物?

全く題名通りの内容ですが、四年ほど使った登山靴もついに限界に来たと判断し、ソールの張替に出しました。よく寿命は五年ほどといわれますが、例年5月に一週間、八月に一週間、その他1-2泊の登山をよくしているので年間20-30日ぐらい使っているから、4年間で100日ほど使ったことになり、まあ妥当な期間働いてくれたと思う。

写真を撮り忘れてしまったのだが、特にミッドソールの劣化と底のかかとのラバーの摩耗がひどく、溝がほぼなくなってしまっていた。ミッドソールはいわゆる加水分解と思しき状態で、これまた、かかと付近がぽろぽろ崩れるような状態。

 

 

before

before3

 

で、石井で買ったのだけど、石井に買収されたART Sportsにお願いしてもメーカーに送る処理をしてくれた。今回はつま先のカップ部分のラバーも交換したので総計15000円+送料500円とのことだった。大体一か月かかるという前情報だったので、自分がまず山に行かない6月の初めに出したところ、受け取ったのが6月末だった。長期間手元から離れてしまうので自分の登山計画に影響ないタイミングで出したいところ。

で、送られてきたのがこちら。当たり前だが、新品のようにピカピカのソールである。溝も復活して、雨でも岩場を安心して歩けるに違いない・・・・と思っていた。

After1

 

しばらくうれしくて、眺めていたのだがなんか左右のソールに違いがみられる。

(1) まず色が違うのだが、これは写真ではうまく表現できないので割愛。

(2) 次にわかりやすいのが左右で長さが違う。靴の内側にある上の溝をつかって左右合わせると下の溝が合わない。これは怪しいということでメジャーで全長を測定。結果3mmぐらいずれている。
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(3) もう一つ、わかりやすかったのはかかとの部分の表面仕上げだ。片方がざらざらで、片方はそうではない。

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さて、この時点では、まあ製造時期が違うのかな、本音いうと同じロットのもので合わせてくれればよかったのになあと思って位程度だった。ただ、やはり気になるのでvibramのソールに偽物が存在していないかを少し検索。
すると、、、結構事例があることが判明した。想像に難くないが中国産の偽物があり、特に5fingersシリーズのシューズで頻発しているそう。シューズ以外にもソール自体の偽物が存在しているということだった。

こうなると、ちょっと真面目にロゴの方も見た方がいいかなと思い比較することに。オリジナルのロゴはWikipediaのが一番わかりやすかったのでそこから拝借。

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結果、片方(右足)のほうのロゴ(下の画像)が怪しい・・・おそらく正規品と思われる、もう一つのロゴ(2つ下の画像)or上の画像ロゴと比較するとわかるのだけど、まずロゴの位置が上寄りになっている。bのフォントも正規品であれば下に少し棒が突き抜けるはずなのだが、それがない。もう少し細かく言うとmも一番右側の縦線が膨れている感じで本来のロゴと違うように見える。ネットで調べた限りだとmのフォントがパッと見わかるぐらいに違うことが多いようだが、mは正直言われれば気が付くかな程度のレベルなので、今回はまた違う種類の偽物なのかもしれない。

いかんせん、同じはずのソール同士のロゴがここまで違うのはメーカーとしてもまずやらないと思うので黒ではないかと疑う。

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こちらが正規品と思われる方。写真でちゃんと比較してみると違いが見えてきてしまった。

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とはいえ、私はただの素人なのでこれが本当に偽物かどうかまだわかってません。とりあえずArt Sportsに連絡してメーカーで確認してもらえる手筈となりました。
ソールのメーカーでの流通ルートは小売り向けとは違うので偽物が入ることはまずない+メーカーも偽物を入荷してはいないと言っているそうですが、一応の確認はしていただけるそうです。

真摯に対応をしていただける姿勢にはすごくれしい限りで、代理店にも、Art Sportsさんに対しても信頼度が上がりました。

さて、また結果は後日わかり次第かきたいと思います。どうなるやら・・・

っていうか、このままだと今年の夏の山行けなくなってしまう!
fakeなら直してほしいけど一か月かかるのはさすがにさみしいなあ

 

後日談

結局、先に言われた通りソールそのものは流通ルートがメーカーと小売りでは違うため、偽物が入る可能性はまずないという回答でした。ロゴが怪しいのも、底の表面処理が違うのもロットが違うのでしょうという形で連絡を受けました。
正直、新品張替えでお願いしても在庫から出てきてしまっているんだなあとか(ソールは加水分解する生モノなのでできる限り製造直後を使ってほしい)、腑に落ちないところもありますが、これにて納得することにしました。
その後2年ほど使っていますが特に問題は起こっていません。ただ、ソール張替えはアウターが完全、革の場合で長く使いたいとかでもない限り買い替えたほうがいいなというのが正直な感想です。特に防水周りがどれだけ頑張って防水処理を施しても新品だったころの安心感に戻ることはありません。長期縦走する場合には、あらかじめファブリック部分に防水処理をしっかりして、最初の数日だけ水をはじいてくれたけど、そのあとは全く防水性能を発揮してくれなくなってしまいます。新品だったころは乾けばある程度復活していたので。