トレランをやめて登山者に戻ってから久々のトレイルランニングレース<信越五岳100マイル 2019>

とはいえ、UTMFがあたったので春先にこれまた久々のトレランだったけど出走。が、途中で降雪によりキャンセルとなり、その時一緒に走った友人が出るかもと言っていたので(もっと恐ろしいSwiss Peaks 360km/25000mの大会に出たので、こっちは来年に延期されたのだけど)、割と気軽な気持ちでエントリー。信越五岳は走れて楽しいって前からおすすめされてたし、雪の降るUTMFよりマシでしょ、とか思ってたら違ったというかオススメされたのは110kmだったのでそちらにエントリーすべきだった。なぜか去年の結果を執拗に分析している人がいて、UTMF 38.5時間以内 = 完走者のうち、上位3割3分ぐらいまでが信越五岳の100マイル完走できる目安と。そもそも完走率73%とかだったのでつまりは0.73 x 0.33= 0.24とUTMF参加したうちの4人に1人しか何とかならない計算に。これ気がついたの大会前日。荷物準備しながら偶然、解析してる人のブログが目に入る・・・気が付かなきゃよかった。ちなみに今年は1時間増えたけど、コースも3km増えている。しかも後半っていうね。

去年辺りからトレラン、ロードともにマラソンと走る大会に対して食傷気味で暇さえあれば登山。なんにもなくても登山。とりあえず練習するなら登山。そしてトライアスロン始めてしまったので水泳ちょこっと。そんなわけで、元々多くないのだけど、見事に今年の月間練習走行距離0kmを1月から記録更新中。たまに出てた大会で走ることもあるけど今年は4月の大会以降大きいのは出てないので半年は完全に大会含めても0kmを維持してきた。さらに、7月に突然の腰痛により、立っているだけで痛い、座ってても痛い(結果、新しく買ったオカムラのシルフィーの椅子が悪いとわかったのだが当時は登山練しすぎと思ってた)で、まる一ヶ月間運動がストップ。と、一見走れる体調には見えないが最低週3は40kg背負って階段走15分ほどを続けてきた意地がある。そして、週末は20kg背負って山々を歩いていたら、今までになく他の登山者から早すぎるでしょと頻繁に言われるようになってたので、調子に乗っていたのもあり、何とかなると自分に言い聞かせて本番に望む。とはいえ、本当にしばらく走っていない中で走りきれるのか。不安は募るがまあ頑張る。

大会当日は車でテキトーに行って受付開始一時間も前の午前8:30に到着。受付を済ませて指定駐車場に移動し見事な青空を見上げながらスタート時間の午後6:30を車の中で待つ。
バックドア開けて寝っ転がってるだけでそこそこの標高だし、風もあるので、日は出ているけど割と良い感じでお昼寝。大会前はいつもバタバタして禄に寝ないことがあるので良い傾向。

時折、斑尾高原ホテルでご飯補給にカレー食べたり、ホットドッグ食べたり、完全避暑地堪能状態でごろごろしてたらあっという間にスタート2時間前。エイドに送ってもらう荷物をデポして、110kmに出る友人にあってゲート前で記念撮影。周りを見渡すとみんな荷物が小ちゃい。。。必携品と山の準備入れたらあんなに小さくならないはずなんだけど一体何をすればあんなことになるのか。登山者出身だとそのへんコンサバに全く考えられないなあ。今回はUTMFのときと違ってチェーンスパイクとかトレッキングポール(コースで使用は禁止だけど、不慮の事故時には当然必要なのでレースで使わなくてもね)とか、アウターも一枚省略したのに軽く4倍くらいの容量を周囲に比べて持っている。重さ測ったら水抜きで5kgぐらいだったので2Lの水追加で7kgぐらいか。それはそうと、今回は秘密兵器シューズ、ミッドカットだけどペアで650gぐらいのTor Speed2。これまでが900gの登山靴だったのでだいぶ軽量化されている。足元の軽量化は結構効くはず!?いや、多分トレイルランナー的にはおかしいんですけどね~ローカットの靴で山に登るのはちょっと精神的にだめなんです(笑)

スタート時は、混雑避けるために少し前の方に。ゲートくぐったのが60番台、次のエイドは150だったので結構前にいたみたい。抜かれやすいところまではちゃんと流通り走ったので許してください。

最初はゲレンデのあたりをひたすらゆるく登っていく。人も多いし道もきれいだし、応援も時折ゲレンデを横切るときにあって楽しい。第一セクションはそこそこ飛ばしたつもりだったけど林道入ってからは普通に抜かれるなあと思っていたらさっきの計算によるとUTMFでもトップ10%とかの人たちか。どおりで(笑)最初の水だけのエイド菅川は写真だけ撮って素通り。周りもそんな感じ。

斑尾山頂をサクっと攻略し22km地点のバンフへ。このエイドでお腹を満たして、水を補給し次へ向かう。

36kmの赤池に至っては何故かモナカの写真しか撮っていない。すでに食べた記憶がないのだけど、きっとたくさん食べておいしかったのだろう。

そして55km地点のアパリゾートへ。ここで、デポ第一号の荷物とここまで運んだ荷物を交換。夕方からずっと走っていたので、ジェルは少し残っているものの自作トレイルミックスの最初の500gは空になっていたのでちゃんと補給もできてる。そういえば、スタートからここまでエイドばっかでコースのコメントがない。そう、ここらへんまで見事に何も覚えていない。そもそも夜で何も見えないし、きっと昼間に通ったらきれいなんだろうなあと思った場面には出くわした気がするものの、印象に残ったシーンがない。登るの大変だったとかも全く無い・・・

アパリゾートを出て、満月の明かりを受けながら暫く下る。秋になってしまい日の出が5時を過ぎてしまっている。空が白み始める前の4時頃はとてつもなく眠かった。何度もヘッドライトの明かりを直視して目を覚ます。そして、下り切ると大会で一番長い21kmの登り。最初は川沿いで、ここも昼ならきれいだと思うのだけど、微妙な坂道を何キロも、いつ終わるともしれず登るのには心が挫けそうだった。川沿いが終わる頃になってやっと日が少し出始める。程なくして72km地点青少年自然の家に到着、朝日が眩しい中補給をし、温かい声援に励まされながら出発。21kmの登りはまだ途中でここから14kmは登り続けるという。

これから日が出てきてしまうので、暑さとの戦いになるなと思いながら途中で服装調整しながら進む。流石に登りは走り続ける気力が薄くなってきた。普段走ってないので、そこは潔く諦め、如何に歩きでも速度を落とさず進むかだ。後で順位を見返すと意外にここでも抜かれていないので、先行で行き過ぎちゃった人たちを抜いていたのだろうか。抜かれた記憶のほうが多いのだけど。14kmをひた登る。途中12時間45分ほどで半分の80km地点を通過。しかし相変わらず登り続ける道に、結構いいペースなのに気が付かないまま無心で前に進む。そして現れた最後の壁のようなゲレンデ。

ゲレンデ登るのほんとに楽しくないし、日陰がなくて暑いのでやめてほしい。と悲痛な思いを持ちつつも、意外とここでたくさん抜く。割とキツめの勾配でもペース落ちないからだろうか。ボッカ訓練が効いているようだった。

登頂するとそこには命の水、湧き水が。頭から水を被り、熱くなった四肢を冷やしてエイドまでの下り始める。下りもまたゲレンデで急勾配・・・痛みが出てるわけではないのだが、明らかに膝によろしくない。膝痛いんでとジグザグに下るご年配方も何名かここで抜いた。今後出る大会はあわよくばゲレンデ率の低いコースを選びたい。終わりがないと思っていた長い登りの後の最初のエイド、池ノ平に到着。ここはラーメンがあるというとってもすばらしいエイド。あせぐっしょになっていたので日向の道でごろごろしながら少し乾かす。起き上がったらアスファルトが汗で変色している。着替えは持ってきているが、次のエイドでデポなのでもう少し頑張ってみることに。それにしても、まだ昼前なのに気温大丈夫だろうか。102km黒姫までは割と平坦な方の道を進み、まちなかも通るのでとたんに距離を稼げるようになる。まあ、さっきまでずっと登りだったのもあるんだけど。

途中宴会隊という非公式だけど大会の運営が毎年出してくれている補給場があり、ありがたくフルーツ等いただく。暑い中凍っているフルーツは心底うれしい。ここらあたりで110kmの選手に抜かれ始める。元気な足が羨ましい。黒姫までは少し登って到着。ここはデポなので荷物を前と同じく交換しながら、ちょっと長めの休憩。流石に眠気は抑えられなくなってきていて机に突っ伏して休憩。笹ずしを3ついただき、お腹の調子も上々。

黒姫を出ると、ダラダラとした登りが続く。例年出てる人によるとここが一番眠くて辛いところだと。何名かと登りながらおしゃべりしていて、幸いあっという間に(気持ち的には)頂上について、下りは後で会うことを誓い、別れて走り出した。ゴールしてから、彼らとは再開し無事全員がゴールできたことを確認している。黒姫からの登りはぜひその場限りでも良いから楽しく話ができる友人を見つけられることをオススメする。その後、去年大渋滞になったと言われていた吊橋を無事渋滞なくクリアし、115km地点、農場の中にある笹ヶ峰グリーンハウスに到着。

足はそこそこ重いし、小指に豆出来ているけどしっかり動く。少し座っていても以前のように足が固まらないのは登山で連日またいで休まず歩いているおかげもあるのかも。しかし、進む速度はだいぶ遅くなってきた。進んでさえいればゴールできる時間だと気がついてしまった甘えがあるのかもしれない。そんな感じで少しフラフラしながら進んでいたが125km地点西登山道入り口をクリアして、130km地点大橋林道でお腹の調子が本格的に悪くなって救急にヘルプを求めるも薬は出せないとのこと。下痢、風邪、痛み止めまで多種多様な薬は持っているのだが、いつもちゃんとお腹すくので胃薬だけは持っていなかった。。。次こそ救急セットに入れよう。と、そこで立ち止まっていたのが悪かったのか一気に体を冷やしてしまい、震えが出始めてしまったので、持ってる服全部着込んで、ストーブの前で鎮座。30分ほど休ませてもらい何とか走れそう。気がついたら10分ほど時間も飛んでいたので睡眠も少し取れたようだ。足も重いわけではなく、眠れたおかげか、むしろさっきまでより軽快に次セクションへ進む。ここらあたりではすでに暗くなってしまっていて、牧場周りを進んでいるのだが、気配を感じてヘッドライトを向けたらそこには牛さんが。牛さん驚いて排泄しはじめてしまう。ごめんよ驚かせて。予定よりもコース距離が伸びていたのはここのセクションで、予定コース距離走ったのにたどり着かない戸隠エイドに焦れてペースを早めてしまいながらも、何とか142kmの戸隠到着。

焦れてたのが悪いのか調子がまた悪くなってきてしまっていて、さっきと同じコース。ストーブの前で着込んで鎮座。気がつくとやはり時間が飛んでいて30分程いたことに。一応風邪薬を飲んでおこうと口に含んだ途端に、戻してしまう。胃の中が空になったためか、悪いものが出たのか以降は気持ち悪い感じがなくなった。普段使いのジェルにもしかして相性悪い子がいるのかも。ここで、上半身は完全回復したのであとはゴールに向かうだけ。お腹は復活しすぎて、グーグーいうので定期的にトレイルミックスをかっこんで、瑪瑙山頂までも結構な勾配とゲレンデだったけど、ゴールまで20kmないという事実が気持ちを後押ししてくれて、登りはあっという間だった。

ただ、下りはまたしても急勾配のゲレンデで、流石に足が痛い。帰ってきてから見たら右足首が少し膨らんでいたのでここらで軽度の捻挫になっていたかもだ。152km地点飯綱で最後のトイレに行って体を軽くし、残りの8kmを一気に抜ける・・・と思いきや少し登りだったのでゆっくり抜ける。そして、やっと長い旅が終わる。暗いなか5km近く林道を走ってきた身には明るすぎるゴールのゲレンデを駆け下りて、終わってみれば31時間30分であった。

一応、去年の制限時間もクリアしているし、途中体調不良はあったものの最後は元気に帰ってこれたので良しとしよう。100マイルは他のレースと違い時間がそもそも長いので、全行程で体調がずっと万全とはなりにくい。100Mileの大会で最初に出たサンディエゴ100も最後のエイドで下痢になり、最終セクションはひた歩くことになったし、UTMFは体調は比較的大丈夫だったけど眠さに耐えかねて3時間もエイドで寝てしまったりした。また、100マイルは単純にレースに万全の体力を整えて立ち向かっても、最後は精神的に負けてしまうことも多い。これだけ長いので言い訳しようと思えばいくらでも材料は出てくる。そんなレースで今年もゴールできたことは誇りに思いたい。そして、裏目的でもあった登山メインだけどトレランも少しは大会出たいなが達成できてよかった。今の練習、登山の傾向なら普段走らなくとも、100マイルの大会までならなんとかなるという証明にもなったのかと。ただ、来年は信越五岳出るなら110kmかな。だって景色良さそうなところ全部夜だったんだもん。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.